【僕が医者になるまでの道のり⑥】医者にも就活があります・中編
こんにちは、堀田です。
「僕が医者になるまでの道のり⑤」の続き、
東京のT病院に体験実習に行った時のお話です。
産婦人科研修で出会った点滴の上手なS先生は、
T病院での4年間の研修医生活について僕たちに教えてくれました。
そんなS先生の手にしている分厚い資料に僕は目が行きました。
それは英語の論文のようで、厚さが2㎝はあったと思います。
さらにS先生の目の前には、明日の手術のための厚さ5㎜ほどの資料が置いてありました。
S先生は、
「今から病棟に行っていろいろ仕事をした後に、両方の資料をまとめるんだよ。君たち学生さんは明日朝7時に来て、カンファレンスを一緒に聞いてね。」
とおっしゃいました。
そして次の日の朝、僕たちは朝のカンファレンスに参加しました。
すると、きのうS先生が手に持っていた厚さ2㎝の英語の論文には付箋やマーカーがついており、すべて読み込んだ形跡がありました。
加えて、それを独自にまとめた資料までできあがっていました。
さらに今日の手術のための厚さ5㎜の資料はさらに資料が追加され、2㎝ほどの厚みになっており、詳しく勉強されたことがうかがえます。
そしてなんと、病棟の患者さんのサマリー(患者さんの病状・診断・治療計画の要約したもの)まで作られていたのです!
「一体いつ勉強したんだろう!」とびっくりしていたら、
「T病院の研修医は毎日これくらいのことができないとついていけないよ。」
とS先生はおっしゃいました。
その言葉を聞いた僕は、あまりにも勉強していない自分を反省しました。
そして、こんなにレベルの高い病院ではついていけないんじゃないか、
将来の出世の道もきっと険しいだろう、という思いが巡りました。
しかし同時に僕は、小学校6年生の時に母が占い師に言われた、
「この子は地元を救う立派な人になる。」
という予言を思い出していました。
というわけで僕は、地元で就職先の病院を探すことにしたのです。
つづく