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【僕が医者になるまでの道のり⑤】医者にも就活があります・前編

[2024.03.01]

こんにちは。

がんを原因から直す
統合医療 希望クリニック院長 堀田由浩です。


前回の記事「僕が医者になるまでの道のり④」の続きです。

今日は僕が医学部の6年生の時の
就職活動の話を書いていきたいと思います。


医学部6年生にとって、

① 卒業試験
② 医師国家試験
③ 何科の医者になるか・どこの病院に就職するか(いわゆる就活) 

これが3大テーマになります。


そんな時、18歳の時に諦めた「東京で遊びたい!」という夢が再燃しました。


そこで僕は東京の病院で就職しようと、
関東出身の同級生に探りを入れてみました。


その同級生が、膨大な東京の病院の中から
将来有望な就職先の候補をいくつか提案してくれました。


その中でピンと来たのが、東京では有名なT病院でした。


T病院は、現在では義務化されている「全科ローテーション制度」を当時すでに取り入れていることで有名でした。


大学の授業だけではどの科に進むのかを決めかねていたので、
まずはいろいろな科を体験してから決めるという制度には心惹かれるものがありました。



T病院では、夏休み期間中に体験実習があることのことで
僕は早速申し込みました。


体験実習は5日間で、
内科・外科・整形外科・産婦人科・小児科・皮膚科を回りました。


産婦人科を回った時、S先生という素晴らしい先生に出会いました。


まず、とにかく明るい。


そして驚いたのが、S先生が外来診療をしていると、
何度も点滴を失敗されて疲れ切っている患者さんが次々とやって来ては、
「S先生に点滴を入れてほしい。」
とおっしゃるのです。


忙しい外来の合間でしたが、S先生は「ちょっと行ってくるわ。」と言って点滴を入れに行き、
数分後には何事もなかったかのように笑顔で戻ってきました。


「まったく痛くない!さすが!」という患者さんの声が
こちらにまで聞こえてくることもありました。


昼休み、僕はS先生に
「どうしてそんなに点滴が上手なんですか?痛くないように点滴を入れるなんてすごいですね。」と尋ねました。


するとS先生は、こうおっしゃいました。
「私が医者として一番大切にしていることは、患者さんの負担をできるだけ軽くしてあげることです。
例えば点滴の場合、理想としては全く痛くないように、1回で入れてあげることです。
もちろんそのための努力もしてきました。
一番針を刺すのが大変な透析センターに志願し、必ず1回で、痛くないように、と試行錯誤を繰り返した結果、
さっきみたいに点滴が難しい患者さんが僕のところにやって来るまでになったのです。」


そしてS先生は、僕たちに点滴の技をいろいろ教えてくれました。


医師として患者さんから信頼されている姿に憧れ、
僕もその技術を身につけたいと思ったのでした。 



つづく

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