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【僕が医者になるまでの道のり⑧】卒業試験の最中にハプニング!

[2024.06.14]

こんにちは。
統合医療医の堀田です。

前回の「僕が医者になるまでの道のり⑦」の続きです。



就職先も決まったところで、次は卒業試験と国家試験です。


卒業試験は、

①国家試験対策を兼ねた出題
②それぞれの教授が得意としている分野からの出題
③国家試験の邪魔にならないような、つまり、誰でも解けるような出題

この3つに出題パターンが分かれていました。

 

「③誰でも解けるような出題」のひとつの例として、実習の感想文がありました。


この出題の唯一大事なことは、締め切りを守ること、です。


精神科の卒業試験がちょうどこのタイプの出題でした。



昔から文章を書くのが苦手な僕は、なかなか筆が進まず、あーでもない、こうでもないと悩んでしまい、あっという間に締め切り時間の30分前になってしまいました。


さすがにこれはまずい!と思い、小学生みたいな感想文をやっとの思いで書き上げ、提出のために大学の目の前にある寮から、大学に向かって自転車に乗って全速力で駆け出しました。


自転車のかごにはちょうど実習で使っている白衣が入っていましたが、そのまま気にせず大学内の道路を爆走していると、目の前に人がいたため、追い越しました。


その追い越した人は、同じ寮に住んでいるパラグアイの留学生さんだと気づきましたが、急いでいたのでそのまま通り過ぎました。



その瞬間!
風が吹き、かごの中の白衣が飛び出し、自転車の前輪に絡まってしまったのです!!


前のめりになって顔からアスファルトに突っ込み、顔面でブレーキをかけた状態で1回転してうまく着地した後、ばたっと横に倒れてしまいました。


先ほど追い越したパラグアイの留学生さんが、流暢な日本語で「大丈夫ですか?」と言いながら駆け寄って、助けてくれました。



この時のことでとても不思議だったのは、転倒する瞬間は時間の流れが変わり、すごくゆっくりだったことと、

鼻~眉毛~額にかけての損傷が激しかったのに、痛みを感じなかったことです。



パラグアイの留学生さんが救急車を呼んでくれたようで、間もなく救急車が到着し、タンカーで救急車内に運び込まれました。


「医学部6年生です」と救急隊に自己紹介したところ、実習に通っている大学病院に搬送可能か聞いてくれることになりました。


ところが無線の向こうからは、何度も受け入れを断る病院側の声が聞こえてきました。


最終的には救急隊員の方が「おたくの学生さんですよ!」とかなり強い口調で伝えてくれたので、ようやく受け入れてもらえることになりました。



というわけで僕は、大学病院の敷地内から大学病院へ救急車で運ばれました。



当時、病院には救急の窓口がなく、救急車を降りた後に倉庫みたいなところで待機していると、どこかで見たことのある外科の先生がやって来て言いました。

「やっちゃったね。念の為、頭のCTでも撮るか。」

ということで頭のCTを撮るため、寝たまま検査室に運ばれたのですが、CTの機械で撮られることに僕は少しトキメキを感じていました。

「自分の脳はどうなっているんだろう?」とワクワクもしました。



検査が終わる頃には、先ほどまで検査技師さんと外科の先生しかいなかったはずのモニタールームが、脳神経外科の先生たちで満員になっていました。


その中にいた、クラブの先輩でもあり、すでに脳神経外科医として働いている先生が、僕のCT結果を見て、

「頭の骨が折れていて、頭の中に空気が入っているから、これから入院になります。絶対安静だから、ずっと天井を見ていてね。鼻水がいっぱい出たら教えてね(髄液鼻漏の兆候)。入院4日後のCTで空気が消えていなかったら手術になるから、よろしくね。」

と説明してくれました。


そんなことよりも僕は顔のけがが気になっていたので、
「顔のけがはどうなりますか?」とたずねたら、
「このまま外科に寄って、ガーゼでも貼っておこうか。」とそっけなく言われました。



というわけで、外科で顔にガーゼを貼ってもらい、そのまま脳神経外科に入院することになったのでした。



結局、入院4日後のCTで脳内の空気は消えており、無事に1週間後に退院となりました。


肝心の提出しようとしていた精神科の卒業試験レポートですが、実はその後どうなったのか全く覚えていません。


でも僕は、卒業試験に合格することができました。


ということは、きっと友達が代わりに提出してくれたのでしょう。
持つべきものは友ですね。      

 

つづく     

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